山田玲司作の「絶望に効くクスリ」が面白かったので、ゼブラーマンも買ってみた。
この山田玲司っていう人は、絶望に効くクスリを読む限りでは面白い話を描くのに、世間的にはほとんど売れてない作家だ。
で、割と「なぜ売れてない」のかということと、山田玲司という人間がどんなマンガを描くのかということに興味があってゼブラーマンを読んでみた。

多分、この山田玲司という人はマンガを描く技量というものがかなり低い(古い)んだろう。マンガそのものは普通に面白いんだが、なんというか場面場面のつなぎ方が稚拙だったり、会話そのものがとんでもなく古かったりする(率直に言えばほんとうにダサい)。しかし、ゼブラーマンの1,2巻を読んでいてこれはあんまり一般ウケしないだろうなあと思いつつ、後半3,4巻(ゼブラーマンは全5巻予定らしい)に突入すると、状況は一変する。

後半部では宮藤官九郎原作をぶっちぎり、山田玲司そのものが凝縮されているというマンガに仕上がっていて、さらに、内容のアクが異常なまでに濃いので、俺がこのマンガを読むのがあと2年早いか、2年遅ければ全く楽しめなかっただろうと思うと、今、このタイミングでゼブラーマンを読めたということは本当に縁があったんだと思って一人でウルウルしたりした。

山田玲司に、ゼブラーマンに、とんでもなくでっかい宿題を叩きつけられて、このマンガは一生忘れられないものになりそうだ*1

俺も白黒つけるぜ!ゼブラーマン

ゼブラーマン 1 (ビッグコミックス)
ゼブラーマン 2 (ビッグコミックス)
ゼブラーマン 3 (ビッグコミックス)
ゼブラーマン 4 (ビッグコミックス)
絶望に効くクスリ―ONE ON ONE (Vol.3) (YOUNG SUNDAY COMICS SPECIAL)

*1:ゼブラーマンは、私的かつ真剣であるということを俺が知る限りマンガ界初の領域まで研ぎ澄ましているので、誰でも楽しめるものではないように思う。ましてや、エンターテインメントではない。が、もっと沢山の人に読んでほしいと思う